ミライ先生の日直日誌

~Ms.Mirai's Day Duty Journal~

ポケモン小説『白黒遊戯』第11話 過剰防衛

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「やめたげてよお!」
「ミジュ~~!」」

 ベルとムンナを迎えに夢の跡地へ行ったノエル。ベルの叫び声を聞きノエルは工場の中を目指した。邪魔な木はツタージャが『居合い切り』をし、壊れた壁を潜り抜けるとそこには3人のトレーナーと2匹のポケモンがいた。ベルとミジュマルは水色の装束の者たちと対峙していた。でも水色の装束の者たちはベルを無視しピンク色の丸いポケモンを蹴っていた。

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「ほらほら!夢の煙を出せ!」
「……ムウ!」
「早くしなよ!」

 ノエルは水色の装束の者たちに見覚えがあった。中世の騎士のような格好をした者たちはプラズマ団と言うはずだ。ゲーチスという男を囲むように立っていたから印象的だった。サンヨウシティでチェレンと見かけたから間違いない。

「ちょっと!あんたたちなにしてるの!?」
「タジャ!」
「ノエル!!」

 ノエルはプラズマ団とベルの間に割って入った。ベルはノエルを見て安堵の表情を浮かべた。ノエルの後ろに隠れるように立ちことの成行きを見守っている。ミジュマルツタージャになにが起こったのか説明していた。プラズマ団の男はムンナを蹴るのをやめノエルを見た。

「わたしたちのことか?わたしたちプラズマ団は愚かな人々からポケモンを解放するため日夜戦っているのだ」

 すると今度は女のプラズマ団が手を前に出した。

「なにをしているのか?ムンナムシャーナというポケモン。夢の煙という不思議なガスを出して色んな夢を見せるそうじゃない。それを使い人々がポケモンを手放したくなる……そんな夢を見せて人の心を操るのよ」
「わかったら邪魔をするな!」

 そう言うと男は再びムンナを蹴り始めた。蹴られているムンナもそれを見ているベルも泣きそうだった。カチンときたノエルはツタージャに目配せをした。

「タ~ジャ」

 ツタージャは『つるのムチ』でムンナをひょいと取った。ムンナプラズマ団の足元から引き離しベルの胸元にそっとおいた。ベルはムンナを抱きしめた。

ムンナ!大丈夫う?」
「ミジュ。ミ~ジュ!」

 ベルはムンナを回復させるためしゃがんだ。ミジュマルはベルのバッグから傷薬を取り出しベルに渡した。

「貴様!なにをする!」

 男が吠えた。ノエルは歯を剥き出しにしているプラズマ団を冷ややかに見た。

「決まってんじゃない。あんたたちにケンカ売ってんのよ」
「なんですって!」

 女が挑発に乗った。ノエルはベルがムンナを回復し終わったのを確認すると微笑を浮かべた。

「タッグバトルやらない?あんたたちが勝ったらあたしたちは去る。あたしたちが勝ったらあんたたちが去る。超シンプルでしょ?」
「えっ」

 ベルは口を大きく開けたがすぐ閉じた。ノエルを信頼している証だ。ノエルと一緒なら負けないと思ったのだろう。プラズマ団の男はふんと笑った。

「……面白い。その勝負、受けて立とう!」
ポケモンを自由にするためワタシたちは負けない!ワタシたちが勝ったらオマエたちのポケモンも解放しろ!」

 女のほうは興奮気味だった。ノエルはあくびをしながら返事をした。

「別にいいけど~?あたしたちが負けるわけないし。あたしたちが勝ったらムンナに二度と手を出さないでよね」
「無論だ!」

 ベルは右腕を上げた。

「ノエルと一緒なら負けないもん!それじゃあー位置について!」

 プラズマ団はボールを開けた。男はミネズミを、女はチョロネコを出した。ツタージャミジュマルは構えた。ベルは4匹のポケモンが位置につくと腕を勢いよく振り下ろした。

「よーい……どん!」

 ベルの運動会のような掛け声でバトルは火蓋を切った。

***

「やめたげてよお!」

 先刻と同じ叫び声が再び夢の跡地に響きわたる。バトルはノエル&ベルチームの圧勝だった。ツタージャミジュマルの見事なチームワークでミネズミチョロネコを倒した。だがプラズマ団はそれでも懲りずにムンナに襲いかかってきたのでノエルに制裁を受けたのだ。今までプラズマ団ムンナにやったこと――すなわち殴る蹴るを――そのままそっくりノエルによって返されてしまった。それも、10倍の威力で。

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 「す、すいませんでした……もう二度とポケモンを殴ったりしません……」
「あ……悪夢……」

 プラズマ団は×の字で重なって横たわっていた。ノエルはプラズマ団の上に乗り不機嫌そうに立っていた。

「もういいよ!もういいってばあ!離してあげようよお……」
ポケモンを殴る奴は……ベルを泣かせる奴は許さない……」
「今は君が泣かせてるじゃないか!」

 男のツッコミでノエルは我に返った。それもそうね、と頷くとプラズマ団から降りた。

「おら。さっさと行きなさい」
「「ひいいいいいいいいいい!」」

 プラズマ団の男女は逃げていった。途中でキャッと悲鳴が聞こえたが夢の跡地は何事もなかったように静かになった。

「わっ!」
「なにっ!?」

 ノエルはベルの声に反応した。草むらから野生のムンナが顔を出していた。草むらから、木の中から、空の上からムンナが次々と現れノエルたちをじーーっと見ていた。ツタージャミジュマルはどうすればいいかわからずおろおろしていた。

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「ちょっちょっちょっちょっちょっと待って!あたしたちなんも悪いことしてないから!」

 大量のムンナにさすがにノエルも圧倒されたのか手足をバタつかせた。ムンナたちは見ているだけでなにもしてこない。やがてムンナたちは前方から道を開けた。そこから浮いて進んだのはムンナより一回り大きいポケモンだった。顔はピンクでそれ以外は薄紫色の体毛で包まれている。額から濃いピンクの煙を出している。図鑑を向けたらムシャーナと表示された。

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「ムニャア!」
「え?なになに?」
「タージャ!」

 ツタージャはなにかを受け取るように両手を前に出した。首から蔓(つる)を出してノエルをちょんちょんと催促する。

「なに?手を出せばいいの?」

 言われる通りノエルは両手を出した。ムシャーナはノエルの手元で勢いよく煙を出した。それにノエルとベルは咳き込むが目を開けたら綿あめみたいなものがノエルの手の上で浮いていた。ノエルはとりあえずそれを空っぽのガラス瓶に詰め込んだ。

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「ムニャ~ア!」

 最後に鳴くとムシャーナムンナたちと去っていった。

「あ!待って!誰かベルのポケモンになって!」

 ムンナたちを追いかけようとするベルをノエルは止めた。

「スト~ップ!ベル。ムンナを仲間にするのはいいけどポケモンを捕まえるときに注意することは?」

 ベルはまばたきした。だがすぐにノエルの質問の意図を理解し元気よく答えた。

「そのポケモンの意思を尊重すること!家族や友達と引き離すとかわいそうだもんね!」

 ノエルはにこりと笑った。

「よろしい!なるべく仲間になりたそうなポケモンを仲間にするのよ。無理やり捕まえるのはNG!」
「は~~い!」

 ベルは内股で走っていた。ミジュマルはノエルに敬礼してからベルを追った。救出されたムンナだけ残っていたがおそらくマコモ博士のポケモンなのだろう。

「あんた、マコモ博士のポケモン?」

「ム~♪」

 ムンナはにこにこ頷いた。

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 ノエルはふうとため息をつくとムンナツタージャに話しかけた。

「それじゃああたしたちはマコモ博士の家に行きますか!」
「ム~♪」
「タ~ジャ!」

 こうして1人と2匹は仲良く歩いて行った。

 

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