ミライ先生の日直日誌

~Ms.Mirai's Day Duty Journal~

ポケモン小説『白黒遊戯』第4話 ファーストコンタクト

「タージャ♪」

 ノエルになでられたツタージャは喜んだ。彼女の脚にピッタリくっついている。チェレンはそれを黙って見ていた。そこへ2人と1匹に近づく足音が聞こえてきた。2人は顔を上げた。

「キミのポケモン、今話していたよね……」
「!」

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 立ち上がるノエル。早口で話しかけてきたのはゲーチスの話を聞いていたあの青年だった。あまりにも早口だったのでノエルは彼が何を言ったか理解するのに数秒がかかった。

(こいつ……さっきの!……って背ぇ高っ!)

 長身だろうと予測はしていたが改めて近くで見ると圧倒される。青年はノエルとチェレンツタージャを見下ろすように立っていた。ツタージャはノエルの脚にくっついたままだ。
 チェレンはノエルをかばうように前へ出た。

「ずいぶんと早口なんだな。それにポケモンが話した……だって?おかしなことを言うね」

 見ず知らずの青年におかしな発言。キャップの下から覗く無表情の顔。チェレンは警戒していた。

「ああ。話しているよ」

 チェレンの皮肉に青年は恥ずかしげもなく答えた。

「そうか。君たちにも聞こえないのか……。かわいそうに……」

 ノエルとチェレンは青年を睨んだ。バカにされた気がしたからだ。

(聞こえるわけないでしょ!……なによこいつ。電波?)

 自称ポケモンの声が聞こえる青年でもノエルの心の声は聞こえない。ノエルはフンと鼻で笑った。

「な~に?新手のナンパ?…………悪いけどお断りよ!」 

 そう言うとノエルは意外なことにチェレンの胸に飛び込んだ。

「わあっ!?」

 予想外の行動にチェレンは赤くなる。

「ノ、ノエル!いったいなにを……?」
「残念だけどあたしにはもうチェレンっていう彼氏がいるの。…………どう?けっこうイケてるでしょ?頭も良いのよ。それになんたってチェレンはチャンピオンになる男なんだから!あんたなんかに勝ち目はないのよ」

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 自信満々に宣戦布告するノエル。チェレンはノエルに顔を触られあたふたしている。ツタージャはビックリしたかと思うと泣きそうな顔でチェレンの脚をポカポカ殴り始めた。 

「タージャ!タージャ!」
「……そう」

 青年は表情を変えずに言った。

「ボクの名前はN。……君は?」

 ノエルはチェレンから離れた。

「ノエル・ピースメーカー」

 力強い目だった。さきほどふざけていた様子とはまるっきり違う。

「……僕はチェレンポケモン図鑑を完成させるための旅に出たところ。もっとも、僕の目標はチャンピオンだけど」

  チェレンポケモン図鑑を取りだしてNに見せた。

ポケモン図鑑ね……。そのために数多くのポケモンをボールに閉じ込めるんだ。ボクもトレーナーだがいつも疑問に思う。ポケモンはそれで幸せなのかって」
「なにが言いたい?」

 Nはチェレンを無視してノエルに歩み寄った。

「ターージャ!」

 ツタージャはノエルを守ろうと前へ出た。Nは最初はツタージャを、そのあとノエルを見てわずかに口元を緩めた。

「そうだね。ノエルだったか。誰に勝負を挑もうか迷ったけど君にしよう。……君のポケモンの声、もっと聞かせてもらおう!」

 Nはボールを投げた。出てきたのは紫色の猫だった。

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